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2020年3月9日

 

日本経済新聞(2020/3/7 朝刊13ページ)に当社社長の鈴木のコメント記事が掲載されました。

 

海外勢の引き受け最多 機関投資家の選別で緊張感

IPOトレンド分析(下)

 

「「もっと高い値で買うよ」。クラウド会計のフリーの幹部は昨年12月の新規株式公開(IPO)を前に、海外の機関投資家と面談を重ねていた。投資家の需要を踏まえて上場時の公募・売り出し価格(公開価格)を決めるためだ。そこで返ってきたのは国内の投資家を上回る好反応だった。

 

上場承認時には公開価格を1株平均1800円と想定したが最終的に2000円に引き上げた。上場時の公募や売り出しで市場に出回る株式のうち、海外機関投資家が引き受ける割合は全体の7割となった。初値は公開価格を25%上回り、その後の株価も上昇基調だ。

 

海外の機関投資家がIPO株の公募・売り出し株を引き受けるケースが増えている。2019年のIPO時に海外の機関投資家に株を販売したのは公募が5社、売り出しが12社(重複含む)だった。それぞれ過去10年で最も多く、この10年をみても増加傾向にある。

 

背景にあるのが成長株への関心の高まりだ。世界景気の減速懸念や米中貿易摩擦などから大型株の先行きには不透明感が漂う。自ら市場を開拓し、外部環境に関係なく成長できるベンチャー企業には、地域を問わず注目が集まっている。

 

この数年、ベンチャーキャピタル(VC)などの潤沢な資金を背景に国内の上場予備軍は厚みを増した。国内の機関投資家からも「成長性など投資の検討に値する企業が増えてきた」(企業年金連合会)との声がある。機関投資家が注目する企業は上場する際の条件を有利にしやすい。ただ、それは厳しい選別を受けた後の話だ。

 

昨年12月2日、バイオベンチャーのファンペップは同月20日の上場を中止すると発表した。会社側は「株式市場の動向などを考慮した」と説明するが、市場では、会社が望む公開価格で引き受ける投資家が集まらなかったためとみられている。

 

昨年12月に上場した仕事仲介サイトのランサーズは上場承認の後に公募・売り出し株数を当初計画から大幅に縮小した。売り出しは約8割減らし公開価格も承認時の想定価格から引き下げた。(略)

 

 上場承認後の条件変更について、IPO支援のラルクの鈴木博司社長は「未上場時に多額の資金が流れ込み、上場前の『企業価値』が上がったのが一因」と指摘する。最初に企業が想定する公開価格は、未上場時に資金調達した際の企業価値が基準になりやすい。

 

一方で上場株に投資する機関投資家とVCでは新しい企業について評価が割れることがある。シェアオフィス「ウィーワーク」を運営する米ウィーカンパニーが上場を延期したのも、上場株で運用する投資家の評価が低かったためだ。

 

上場承認時の想定(平均価格含む)から公開価格を引き下げるケースは増加傾向にある。19年は9社と上場した企業の1割。今年もすでに2社が最終的な公開価格を当初の想定から引き下げた。

 

国内のIPOは個人投資家の人気で成り立ってきた。それが株価の乱高下や上場手続きの「緩み」につながっていた面は否めない。機関投資家の関与が増せば企業や証券会社の緊張感は高まる。IPOの質を高めるには避けられない道筋だ。」

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